あほキャス日記

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寛解

 前回の《(LIKE A)TRANSFER GIRL》を書いてからめちゃくちゃ間が空いたことで、僕の中の湯浅論をめちゃくちゃアウトプットしたかったんだと実感しましたね。大学も試験終って暇なのに前回ので大満足して全然再開しなかったけどそろそろコンティニューしましょう。

 

 (LIKE A)なんかは転校生シリーズという表面上のフェイクを使って別のことを表現するタイプの曲だと思っているけど、逆にこの《寛解》はタイトルが直接的過ぎて「湯浅脱退からの寛解」というフェイクでその先の何かを表現しようとしてる気がする。ただその先に関しては今の段階では僕の想像力の上限を越えていて難しい。湯浅論に意識が持っていかれすぎて想像が広がっていかないのかもしれないけど。

 ただ一つ指摘したいのは小出の歌詞における〈異空間〉みたいな存在のこと。小出の歌詞にはこの世の場所ではないような〈異空間〉が舞台になるものがいくつかあると思っている。僕なりの解釈で例を挙げると、一番わかりやすいのは《HIGH COLOR TIMES》。他には《WHITE ROOM》《ホーリーロンリーマウンテン》、そしてこの《寛解》。それぞれ異空間具合が違うし何か共通する意味を持つとは限らないけど、この〈異空間〉こそ現実を現実的に描くベボベに必要なものだと思う。「白い壁 硝子張りの施設」という非現実的な空間から現実を見るからこそ現実が良く見えるはず。混沌とした現実の中からだけで現実を描いても、それは有限の世界で無限を数え上げるようなもんではないかと。不完全性定理みたいな。

 この〈異空間〉、僕の好きな村上春樹の作品にもたまに出てくるんですよね。『海辺のカフカ』では四国のどっかの森の奥の奥に時間も文字も何も意味をなさない完全に自由な世界があって、そこでカフカは現実世界の意味を見出すんですけど、それみたいな感じです。ちなみに『海辺のカフカ』は個人的に多分一番好きな作品。いや『1Q84』も好きかな。まあ順位とかつけらんないですね普通。

 

 サウンド面に関しては、打ち込みの音がここまで中心になりながらも実はギターがしっかり曲を引っ張っている感じ、さすがすぎだと思った。15年間打ち込みなしでやってきたギターポップバンドとしての実力の凄まじさが良く分かる曲だと思う。生ドラム音源を実際に叩いた生ドラムのタイミングで返すという、生のようで加工的なようで生な感じとかも含めてBase Ball Bearにしか出来ないサウンドだと思う。こういう地味な曲にこそ新しい魅力を発見できるから楽しい。